秋の食材といえば、銀杏(ギンナン)を思い浮かべる人も多いと思います。
場所によっては拾うだけで手に入れることができるので、好きな人は毎年食べていますよね。
銀杏は秋に簡単に入手できるので、たくさん食べてしまいがちです。
しかし、「銀杏は食べすぎると毒になる」という話を聞いたことはないでしょうか?
私は昔おばあちゃんから「銀杏は年の数までしか食べちゃいけないよ!」と聞いていました。
数の制限に根拠はあるか、気になりますよね。
そこで今回は、銀杏を食べ過ぎると毒になるか、毒になるならどんな症状が出るか・何個までなら食べても大丈夫かについて解説していきます。
銀杏を食べすぎてはダメ?中毒症状とは?
銀杏を大量に食べると銀杏中毒になる可能性があります。
銀杏中毒とは、銀杏を食べ過ぎることで主に痙攣(けいれん)と嘔吐が起こり、最悪意識を失い死に至ることもある中毒の一種です。
銀杏中毒の主な特徴は以下のとおりになります。
- 食後数時間で発症
- 意識を失い死亡することもある
- 症状は嘔吐・痙攣(けいれん)がメイン
- 他の症状は不整脈・顔面蒼白・呼吸困難・眩暈(めまい)・意識混濁・脚の麻痺・発熱・便秘など
- 子供に中毒症状が起こりやすい
○○中毒と聞くと、薬物中毒やアルコール中毒のような依存症のイメージが一般にあると思いますが、ここでの中毒とは「毒に中る(あたる)」という意味です。
少量では微量の毒しかない食べ物でも、大量に食べることにより体の上限を超えてしまい、健康に影響が出る状態ですね。
似たような中毒例を挙げると「カフェイン中毒」なんてものがあります。なんでも取りすぎると体に有害になるということですよ。
話を戻しまして、銀杏中毒の特徴で特に注目したいのは、子供に中毒症状が起こりやすいことです。ある年の統計では、患者の70%が10歳未満の子供という結果が出ています。
これは小児の体が大きくないため、たくさん食べると銀杏の毒性を体が対処しきれないからですね。記事の後半では、子供に与えて良い年齢や銀杏の個数についても、解説していきます。
銀杏中毒の原因
銀杏中毒は銀杏に含まれているメチルピリドキシンという化合物が原因です。
このメチルピリドキシンはビタミンB6と極めて似ている化合物のため、本来ビタミンB6が行う働きを邪魔してしまいます。
いつもはビタミンB6が来ている体の部位に、とても似ているメチルビリドキシンが来てしまうと体も混乱してしまいますよね。その結果メチルビリドキシンはビタミンB6の働きを邪魔するのです。
ビタミンB6の働きの一つに、鎮静作用があるアミノ酸(GABA)の作成があります。
これが妨害されると、体が異常な興奮状態になるのです。そして、異常な興奮状態になると体は痙攣します。これが銀杏中毒です。
銀杏は何個までなら食べて良い?
銀杏の年齢別の摂取目安は以下のとおりです。
- 大人:40個以下
- 小児(6~15歳):6個以下
- 幼児(6歳未満):食べさせない
※持病や体質で個人差があります
銀杏を大量に食べるときには目安の個数を参考に注意しましょう。
特に、子供は銀杏中毒を起こしやすいので少量にしたほうが無難です!
ただ、個人差もありますので、大人で7個しか食べていないのに中毒になったり、100個食べても平気なことがあります。
ちなみに、銀杏を加熱しても毒素は消えませんよ!
ほどほどに食べましょうね。
銀杏は栄養満点なので、中毒にならない程度ならとても体に良いですよ。
もし銀杏中毒の疑いがあるときは?
銀杏を食べたあとに体調が悪ければすぐ病院へ!
意識を失ったり、痙攣など症状がひどければ救急車を呼びましょう。
銀杏中毒の疑いがあっても、食べた銀杏を無理に吐き出させてはいけません。
無理やり吐き出させると、痙攣を引き起こす恐れがあります。
また、素人考えだけで銀杏中毒だと決めつけるのも危ないですよ。医者の指示に従ったほうが良いです。
ただ、銀杏中毒の恐れがあるときは、付き添いの方が「銀杏をいつ・どれくらい食べたか?」と「症状がどのくらい続いているか?」を説明できると良いでしょう。
疑いがあるときは、すぐ医療機関へ行き指示に従ってください。
銀杏なんて食べないほうがいいの?
銀杏は実は栄養満点です。中毒にならない程度の量なら、とても健康に良い食材ですよ。
特に、でんぷん、カロテン、ビタミンCが豊富です。
さらに、カリウム・マグネシウム・リン・鉄などのミネラルも多く含んでいます。
昔は中国と日本で薬として用いられていたくらいです。
銀杏の食べ過ぎは中毒の危険がありますが、適量ならとても優秀な食材ですよ。
ほどほどに食べて、栄養をうまく摂取しましょう。
まとめ
今回のポイントは次のとおりです。
- 銀杏を食べすぎると中毒になる
- 症状は主に嘔吐・痙攣(けいれん)
- 子供は中毒を起こしやすい
- 銀杏中毒はメチルピリドキシンという化合物が原因
- 個数の目安は、大人40個まで、6~15歳は6個まで、5歳以下には食べさせない
- もし銀杏中毒の疑いがあるときはすぐ病院へ!無理やり吐き出させるのは厳禁
- 銀杏は栄養満点なので、ほどほど食べると健康に良い
銀杏中毒は怖いですが、食べ過ぎなければとっても栄養満点でおいしいですよ!