実は茄子(ナス)の93%が水分でできています。 これはきゅうりの95%に迫る勢いですよ。
水分が多い野菜は傷みやすいのが相場。なすもその例にもれずに、あまり日持ちしない野菜とされています。
傷みやすいなすびなだけに、気になるのが傷んだり腐ったりしてきたときの変化です。
たねが黒くなっている、切ると断面が茶色い、お尻が傷ついてるように見える、などなどナスには様々な変化がおきます。
これらの変化は果たして傷んだときの変化なんでしょうか?
気になりますよね!
そこで今回は、なすが傷んだり腐ったりしたときの変化についてお伝えします!
また、傷んだときの変化か悩ましいなすの変色についても、ケースごとに解説していきますよ。
なすが腐ったときの変化とは?
なすは腐ったり傷んだりすると次のような変化があります。
- ヘタにカビが生える
- 触るとブヨブヨに柔らかい
- 汁が出てヌメヌメしている
- 異臭がする
- 皮全体が茶色に変色した
なすの変化はヘタの部分によく現れます。買ったばかりのなすのヘタは、ピンとして触ると痛いくらいですが、時間が経つと共に弱弱しくしなびてきますよ。
なすのヘタを見極めのパロメータにするといいですね。
最終的にカビが生えてしまうと、もう食べられません。カビが生えている部分だけ取り除いても、カビは根を張っているので完全に除去できません。注意しましょう。
ヘタと併せて確認したいのが、なすの触感です。触ってみてブヨブヨに柔らかいほど傷んできています。ちょっと柔らかいくらいならまだ食べられますが、汁とヌメりが出て異臭もするようなら完全にアウトです。
また、外からイマイチ判断しにくいときは、カットして断面を見てください。なすは内部から腐敗が進んでいくので、切ってみてニオイや色を確認しましょう。
そして皮全体が茶色いようでしたら、傷んできているか、食べられても味が落ちている状態です。
なすが食べられるかどうかの見極めは、ヘタ、柔らかさ、見た目、臭いなどを目安に総合的に判断するといいですよ。
また、皮や断面の変色している場合、なすの鮮度の目安になる場合があります。次でなすのさまざまな変色について、解説していきますよ!
ナスの変色について
新鮮ななすをカットすると、内部はどんな色かご存知でしょうか?
答えは、「白っぽい色」です。収穫から時間が経つほど、なすは様々な変色をしていきます。
なすの変色をおおよそのパターン別に分けると、次のとおりです。
- なすのお尻に茶色いシミのような傷
- 切るとたねが黒い
- 切ると断面が茶色
- カットして放置したら断面が茶色になった
- 調理すると茶色になった
それぞれ原因や食べられるかどうかについて、解説していきます。
1.なすのお尻に茶色いシミのような傷
なすのお尻にできた茶色いシミのような傷は、なすが種を残そうと実を硬くした跡です。傷んでいたり腐っているわけではないので、食べられます。
ただし、その部分は硬くておいしくないので、切り落としてから食べるといいですよ。
お尻に茶色いシミのような傷があるなすは、実が硬く味も落ちるので、お店で選ぶとき避けたほうがいいでしょう。
他の傷では、裂けたような白い傷もよくできます。これは、出荷時に木の枝や他のなすのヘタとこすれてできた傷です。気にする必要はありません。
2.切るとたねが黒い
なすの種がまばらに黒くなっていても、食べることができます。
ただし、やや鮮度が落ちてきている状態なので、早めに食べるといいでしょう。
というのも、なすは収穫後から時間が経つほど水分が抜けていき、種から悪くなってしまうからです。
ですが、種がまばらに黒くなるくらいなら、まだまだ食べても問題ありません。
3.切ると断面が茶色
断面が茶色になっていても食べられます。
これはなすを冷蔵庫で保管していることで起きる低温障害が原因です。
もともとなすはインドが原産地の低温に弱い野菜なので、冷蔵庫のような低温で保存すると呼吸が止まってしまいます。その結果、柔らかく褐色になるのです。
病気や腐っているわけではありませんので食べることはできますが、味や食感は落ちてきています。なるべく早めに食べてください。
また、さらに低温障害が進むと内部だけではなく、なすの皮まで茶色になることもあるので注意が必要です。
そこまで進むと、味や食感も悪くなり、傷んできている可能性もあるのでしっかり確認してください。
4.カットして放置したら断面が茶色になった
切ってから放置していたなすが茶色になった…。
この場合、なすの切り口が空気に触れて酸化した「褐変」という状態です。りんごが茶色くなるのと同じ仕組みですよ。
茶色くなったりんごを食べても問題ないように、切り口が茶色くなったなすを食べても全く問題ありません。
褐変の原因はなすが空気に触れることなので、切ったなすを空気に触れないようにすれば簡単に変色を防ぐことができます。
具体的には、塩水に漬けておけば変色しにくくなります。すぐ調理しないときは、ナットしたなすを塩水に浸しておきましょう。見た目がいいほうがおいしく見えますよね!
5.調理すると茶色になった
なすを茹でたり炒めたりしていたら、きれいな紫から茶色っぽく変色してしまった…。
これは、なすの「ナスミン」という色素が流れ落ちてしまったことが原因です。
なすの色の素(もと)だからナスミン。ずいぶんストレートな名前ですね!
なすの色素であるナスミンがなくなっただけなので、当然食べる上では全く問題ありませんよ。
ナスミンは水に溶けやすい性質を持っています。調理の際に水分となすが触れると、ナスミンが水に溶けてなくなってしまうのです。
なすの紫色を出しているのはナスミンで、そのナスミンが無くなれば紫色も落ちてしまう!という流れですね。
しかし、色落ちしても味には問題ないとはいえ、やはり見た目もおいしそうな状態でなすを食べたい!
実は、調理でなすの変色を防ぐ方法もありますよ。
なすの皮に油を軽く塗ってから電子レンジで数十秒ほど加熱すると、変色を防ぐことできます。
こうすると油が皮をコーティングして、ナスミンが流れ出るのを防ぐことができるんです。
見た目にもこだわりたいときには、簡単なのでぜひ試してみてください。
なすの変色まとめ
今回解説したなすの変色の原因は、傷んだことが原因ではありません。ですので、食べても問題はありません。
しかし、鮮度が落ちてきたり低温障害によって変色したなすは、味や風味が落ちてきています。この場合は、早めに食べるといいでしょう。
また、調理の手順によっては、変色を防げるものもあります。ひと手間加えて、しっかり変色を防げば、見た目も楽しくなすを食べられますよ。
なすはどれくらい日持ちする?
なすは野菜室で保存すると1週間程度日持ちします。
なすは水分が多く、すぐ傷むので気を付けましょう。
しっかり傷んでいないかを確認してから食べることが大事ですよ!
危ないときにはもったいないですが、捨てる勇気も大切です。
まとめ
今回のポイントは次のとおりです。
- なすが傷んでいるかは、ヘタ、柔らかさ、見た目、臭いなどで判断する
- 多くのなすの変色は食べる分には影響は少ない
- 調理にひと手間加えて変色を防ぐことも可能
- なすは野菜室で約1週間日持ちする
なすはあまり長期保存に向かない野菜なので、なるべく早めに食べ切りましょう。