似ている調味料の代表的なものに、みりんと料理酒がありますよね。
同じような料理でも、使い分けているレシピをよく見ると思います。
そのとき疑問に思うのが、みりんと料理酒で何が違うか?使い分け方をどうするか?の2点ですよね。
そこで今回は、みりんと料理酒の違いと使い分ける方法について、お伝えします。
みりんと料理酒の違いは何?
どちらもアルコールを含む調味料ですが、一番大きな違いをいえば「みりん」は甘く糖分があり、「料理酒」は塩分があってしょっぱい味がします。
料理をしていれば、経験でなんとなく知っている人も多いですよね。
この記事で扱う「みりん」とは本みりんのことです。「みりん風調味料」については、後ほど解説しますよ。
まず「みりん」は、約14%のアルコールと約40~50%の糖分を含んでいます。分類的には、アルコール飲料の一種である混成酒に分類されるバリバリのお酒なんです。
混成酒とは、アルコール飲料の分類の一つであり、蒸留酒や醸造酒に果実や甘味料などを加えたもののことです。梅酒をイメージするとわかりやすいですね。
みりんは混成酒の一種で、酒税もかけられています。意外にも、糖分を含んでいるアルコールの仲間というわけです。
ちなみに、正月に飲むお屠蘇(おとそ)は日本酒とみりんをベースに作ることが多いですよ。なんと江戸時代では、みりんは女性が飲む甘口の高級酒だったこともあるんです。
一方「料理酒」とは、飲用できないよう塩を加えた料理専用の日本酒のことです。試しに料理酒をなめてみてみると、確かにしょっぱい味がして飲めたものじゃなかったですね。
酒とついていますが、塩を加えてしょっぱくして飲めないようにしたことで、みりんと違って料理酒はアルコール飲料(酒類)にあたりません。酒税も取られていません。逆のイメージがして意外ですよね。
このように、みりんはアルコール飲料であり酒税が取られていて、料理酒はアルコール飲料ではなく酒税が取られていません。
確かにスーパーで売っている値段をみると、みりんのほうが若干高い気がします。こんな理由があったわけですね。
まとめると、「みりん」はアルコール飲料の一種で甘い味がして、「料理酒」はアルコール飲料ではなくしょっぱい味がします。
みりんは甘くてそのまま飲めないことはないですが、料理酒はしょっぱくてそのまま飲めない調味料です。商品によっても違いますけどね。
みりんと日本酒どう使い分ける?
みりんと日本酒のそれぞれの特徴は次のとおりです。
みりんの特徴
- 甘みを出せる
- 煮崩れを防げる
- 照りとツヤを出せる
まず、味の違いとして、みりんは甘みを出せます。汁物や煮物で甘みを出したいときには、みりんを使うといいですね。筑前煮や肉じゃがなど、甘い味がする煮物には入れることが多いです。
次に、みりんを使うことで煮崩れを防ぐことができます。みりんは柔らかい食材を煮込む際に使うと、食材を引き締めて、煮崩れを防ぐことができるのです。
魚の煮付けなど柔らかいものを煮込むときに使うと、より効果的ですね!
最後に、みりんは照りとツヤを出すことができます。仕上げにみりんを含めた調味料をからめて火をとおすと、料理に照りとツヤを出すことができますよ。
この使い方で代表的な料理は、ブリの照り焼きです。仕上げにみりんと醤油ベースのタレを使うことで、照りとツヤを出せますよ!
料理酒の特徴
- 生臭さを消せる
- 素材を柔らかくする
- 風味と香りをよくする
料理酒は、生臭さを消すことに優れているので、肉類や魚介類に火をとおすときに使うと特に効果的です。
さらに料理酒には、みりんと逆に素材を柔らかくする効果と、風味と香りを良くする効果もあります。
これらをすべて活かした料理は、貝の酒蒸し(はまぐり、あさりなど)が有名ですね。生臭さを消して、貝を柔らかくし、香りをつけると、一挙三得な実に合理的な料理だったのです。
みりんと料理酒どう使い分ける?
みりんと日本酒を使い分ける上で大切なポイントは、みりんのほう甘みが強いということです。料理酒にも甘みはありますが、みりんほどじゃありません。
強い甘みが必要な料理には、みりんが向いていますよ!
逆に、甘みがそれほど必要じゃない料理には、料理酒を使うといいですね。
次におさえるポイントは、みりんは素材を引き締めて煮崩れを防止するのに対して、料理酒は素材を柔らかくさせることができます。
煮崩れさせたくない煮物はみりん、やわらかくさせたいときには料理酒という使用法になりますね。ただ、これは煮物の話であり、仕上げにみりんや料理酒を使う場合は、また話が別ですから注意してください。
ポイントをまとめると、次のとおりです。
- 甘みを出したい料理はみりん、甘みがいらない料理は料理酒
- 煮崩れを防ぎたいときはみりん、柔らかく煮たいときは料理酒
みりんは甘みが強く煮崩れを防ぐため煮物系に向いていて、料理酒は甘みを出さずにやわらくしたいとき肉類や魚介類に使うとよいですね。
ザックリとした基準は上にあげましたが、味のバランスや各レシピによって、例外もあります。
料理酒と砂糖を使って甘みを出すこともありますよね。これだから、料理は難しいですよね。
みりん風調味料とは?使い分けは?
みりん風調味料は、本みりんと違いアルコールが1%未満で、みりんと味が近い調味料です。アルコール以外の違いは、ブドウ糖や水あめといった糖類を加えることで本みりんの甘さをうまく真似ています。
アルコールがほぼないので、酒類ではなく酒税もかかっていません。念入りにアルコール成分を飛ばす必要がありません。お子さんにも安心ですね。
また、糖類が本みりんより多いので、照りツヤを出すことに優れています。
とはいっても役割はほぼ同じなので、本みりんかみりん風調味料どちらか一つもっていれば十分ですよ!
料理酒との使い分けも、みりんと同じで問題ありません。
まとめ
ポイントは次のとおりです。
- 甘みを出したいときには「みりん」、出したくないときには「料理酒」
- 煮崩れを防ぎたいときには「みりん」、柔らかくしたいときには「料理酒」
- みりん風調味料はアルコールがほぼなく、味は本みりんと近いので同じ使い分けでOK
この料理はみりんで、あの料理は料理酒!と必ずしも決められないのが、料理の難しいところですね。ご家庭のレシピによっても違いますが、おおまかな違いはこの記事のとおりですよ!