牛乳

 

牛乳を飲むときに、子供のころよく噛むよう言われたことはありませんか?

私も昔言われて、子供のころは牛乳をよくかんでから飲んでましたね。

 

大人になってすっかり忘れていましたが、先日友人が「牛乳をよく噛んでから飲むと、唾液と混ざって消化に良い」と言っていました。

 

果たして本当でしょうか?

本当ならどんな理由で、消化に良いか気になりますよね。

 

そこで今回は、牛乳をよく噛んでから飲む効果と理由について、ご紹介します。


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牛乳を噛んで飲む効果は?

牛乳

 

実は牛乳を噛んで飲むことで、よく言われている唾液と混ざり合って消化がよくなる効果はありません。

 

そもそも牛乳を消化するのは、小腸にある「ラクターゼ」という酵素の働きです。唾液は全く関係ありませんよ。

 

じゃあ、牛乳を噛むメリットが全くないかというと、そうでもありません。

次のような効果が期待できます。

 

  1. 体温に近い牛乳を飲めるのでお腹を壊しにくい
  2. ゆっくり牛乳が消化器官に運ばれるのでお腹を壊しにくい
  3. 満腹感を感じやすい

 

理由を解説していきます。

 

1.体温に近い牛乳を飲めるのでお腹を壊しにくい

冷たい飲み物を一気に飲むと、お腹が痛くなりますよね。牛乳を体温に近くすることで、それを防ぐ効果があります。

 

牛乳をよく噛むことで、口の中に牛乳が長く留まります。そうすると、冷たい牛乳が体温に近くなり、牛乳の温度が上がってお腹を壊しにくくなりますよ。

 

つまり、よく噛んでから飲むことで、牛乳が体温で温まります。その結果、冷たいままがぶ飲みしないので、お腹を壊しにくくなるわけです。

 

これがお腹を壊しにくい理由の1つ目です。

牛乳を飲むとお腹が緩くなりがちなので、地味ながら大切な効果ですね。

 

2.ゆっくり牛乳が消化器官に運ばれるのでお腹を壊しにくい

日本人は牛乳を消化しにくい体質のため、一気に牛乳を飲むと消化しきれずにお腹を壊すことがあるんです。

 

まず、牛乳をよく噛んでから飲むと、短時間でいっぱい飲めませんよね。ゆっくり牛乳をのむことになります。

 

ゆっくり飲むことで、牛乳が少しずつ消化されて、牛乳を消化しきれずにお腹を壊す危険が減るわけですね。

 

牛乳が消化しきれないと下痢になりやすい?

そもそも、牛乳の糖質である「乳糖」を消化するための「ラクターゼ」という酵素が、日本人は欧米人に比べて少ないのです。

 

「ラクターゼ」は小腸で乳糖を分解し、エネルギー源とする酵素です。

 

しかし、乳糖が小腸で消化されずに大腸に運ばれると、腸内細菌で乳糖が分解されて、ガスを発生して腸を圧迫したり、大量の水分がまとめて大腸に送られたりします。

そうなってしまうと、下痢になってしまうわけですね。

 

つまり、牛乳が消化しきれないと下痢になりやすいのです。ゆっくり少量ずつ牛乳を飲めば、下痢になることも少なくなります。

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3.満腹感を感じやすい

飲み物でもよく噛めば、満腹感を感じやすいですよね。また、ゆっくり飲んだり食べたりすることでも、満腹感を感じやすいです。

 

牛乳でも一緒です。食べる量を減らすことができますよ。

 

牛乳は噛んで飲むほうがいいの?

腹痛

 

無理して牛乳を噛んで飲む必要はありません。お腹が弱い人は噛んで飲んでもいいよね、というレベルですね。

 

お腹が弱い人は、ゆーっくり少しずつ牛乳を飲むことでも、代用できる効果です

 

満腹感を得るためという理由も、牛乳だけに限らず、飲み物やスープなどでも同じことですよね。

牛乳以外も噛んで飲む方には、そもそも関係ないです。

 

よって、特別牛乳を噛むメリットはありません。

ただ、よく噛むということは良い習慣ですし、ゆっくり牛乳を飲むために噛むのも良い方法と言えます。

 

なぜ牛乳をよく噛んで飲むと消化に良いという話が広まった?

子供

 

※個人的な予想です。

なぜ牛乳をよく噛んで飲むと消化に良いという話が広まったか考えてみますと、子供がお腹を壊さないようにするためだと考えられます。

 

子供に牛乳をゆっくり飲ませるためには、「ゆっくり飲みなさい」より「よく噛んでから飲みなさい」のほうが、具体的な指示なので子供が言うことを聞きやすいですよね。

また、子供がゆっくり牛乳を飲んでいると、親が見た目でわかるメリットもあります。

 

「お腹が痛くなるから」ではなく、「消化に良いから」にした理由は、因果関係を昔はよくわかってなかったせいでしょうか?

 

お腹が痛くなる理由を消化が悪かった、と考えてしまったのだと思います。

厳密にはよく噛むと消化に良いわけではなく、ゆっくり飲むことで少しずつ消化しているわけですが。

あれ、それって結局消化に良いってことになりますかね?

 

また、「唾液が分泌されるから消化に良い」とか「唾液と混ざり合って消化に良い」という唾液関係の話はデタラメですね。適当な理屈をつけただけでしょう。

 

結論は、親が子供を思ってわかりやすく伝わりやすくした結果、「牛乳をよく噛んで飲むと消化に良い」という話になったと考えられます。

 

まとめ

ポイントは次のとおりです。

 

  • 牛乳をよく噛んで飲むと、お腹が壊しにくく満腹感が得られる効果あり
  • お腹が弱い人はよく噛んで飲んでも良い
  • 牛乳をよく噛んで飲むよう言われる理由は、子供がお腹を壊さないように広まったと考えられる

 

私はお腹が弱いので、牛乳をゆっくり飲むようにしています。

 

また、牛乳がいつまで飲めるか興味ある方は、次の記事を参考にしてください。

参考:牛乳は賞味期限切れから何日ならセーフ?腐るとどう変化する?