納豆は独特の臭いとネバネバした食感があり、嫌いな人が多い反面、好きな人も多い食材ですよね。
「納豆は最初から腐っているから賞味期限を気にしないで食べられる!」と思っている人はいませんか?
実は納豆も腐るんです!
発酵食品なので、納豆が腐ったときの変化はとてもわかりにくいですよね。
そこで今回は、納豆が腐ったときの変化について、ご紹介します。
また、まれに納豆に発生する表面の白い粒々についても、説明しますよ。
納豆は腐るとどう変化する?
納豆は腐ると次のような変化があります。
- 糸をまったく引かない
- 水っぽくなる
- 強いアンモニア臭がする
- どろどろに溶ける
- カビが生えている
納豆は腐りにくい食材ですが、長期間食べなければ腐ってしまいます。特に、糸をまったく引かなくなったら危険です。その場合は、あきらめて捨ててしまいましょう。
また、強いアンモニア臭も判断しやすいポイントです。アンモニア臭が出てしまうと、味が非常に落ちているので食べないほうがいいですよ。
個人的な目安ですが、賞味期限が切れてから2週間までなら、味は落ちますが食べても大丈夫だと思います。
賞味期限とは、おいしく食べることができる期限なので、多少は過ぎても食べることが可能です。
もっとも食べられるかどうかは、商品や保存状態によっても異なりますので、自己責任において腐ってないかの判断を必ず行いましょう。
表面の白い粒々の正体は?
日にちが経った納豆にできる表面の白い粒々(ブツブツ)は、「チロシン」というアミノ酸の結晶です。アミノ酸なので、食べても害はありません。
チロシンは、常温で数時間放置したり賞味期限が過ぎるなどして、納豆の発酵が進むと発生することがあります。
また、ひきわり納豆などの皮がない納豆は、皮がないためダイレクトに納豆菌の分解が進みやすくなってしまい、賞味期限内でもチロシンの粒ができやすくなってしまうのです。
チロシンが発生すると、多少食感は悪くなりますが害はありませんので、安心して食べてください。気になるようでしたら、加熱調理すると美味しく食べることができますよ。
余談ですが、新鮮な納豆に白いモコモコのようなものがついているのは、「被り」という納豆菌が層になっているものです。
被りも納豆菌の影響なので、腐っているわけではありません。食べても害はないので、心配しないでください。
納豆の「発酵」と「腐る」とは?
納豆の「発酵」では、「納豆菌」という体に良い菌が増殖して、ネバネバとニオイを生み出しています。納豆菌は、保存期間が長くしたり、血液サラサラなどの健康効果もあるのです。
一方、納豆の「腐る(腐敗)」は、発酵がすすみ切って納豆菌がなくなってから始まります。
納豆菌がなくなるまでは、納豆内では納豆菌が支配しており、納豆菌以外の雑菌の増殖を防いでいるのです。
そして、納豆菌がなくなると雑菌が増殖し始めて、納豆が体に有害なものへと変化していきます。納豆が腐ったときの変化で、糸を引かなくなったりアンモニア臭がしたりするのは、納豆菌の効果がなくなったせいなんですよ。
「納豆菌がなくなる→雑菌が増殖する→腐る」という変化が起きているので、腐ると納豆菌によって生じているネバネバとニオイがなくなるのは、当たり前というわけですね!
まとめると、納豆の「発酵」は納豆菌によって様々な良い効果を生みますが、「腐敗」は雑菌が増殖して体に有害な変化が起きます。
ちなみに一般には、「腐る(腐敗)」は人間に害がある菌の効果のことを指し、「発酵」は人間に役立つ菌の働きのことを指します。
起きている現象自体は、微生物が食品の成分を分解するという同じものなんです。
人に役に立つか害になるかで「腐敗」と「発酵」と言い分けています。なかなか面白い使い方ですよね。
「納豆は最初から腐っているから、腐ることはない!」という考えは、間違っていたことがわかりましたね!
納豆菌のおかげで納豆は腐りにくくなっていますが、長期間放置すると腐りますよ!
まとめ
納豆が腐ったときの変化は、「糸を引かなくなる」「強いアンモニア臭がする」の2つが特に大切です。
時間が経った納豆にできる白い粒々は「チロシン」というアミノ酸の結晶なので、食べても体に害はありません。
納豆の「発酵」は、納豆菌の働きで良い効果をもたらします。納豆の「腐敗」は、納豆菌がなくなって雑菌などが増殖し、体に悪影響を及ぼします。
納豆はもとから腐っているから大丈夫!と油断してはいけません。