りんごはある程度日持ちする果物ですが、さすがに何カ月も日持ちしません。
できれば傷む前に食べ切りたいところですよね。
りんごを箱などで大量に買ったりもらったりすると、どうしても傷んできたり、腐るりんごが出てくると思います。
怪しいりんごを食べるときに知っておきたいのが、りんごが腐ってきたときの変化です。
どういう変化をするか知っておくと、傷んできたりんごを食べるときの目安になりますよ。
そこで今回は、傷んだりんごの変化と賞味期限について、ご紹介します。
また、りんごをカットして放置したら茶色になったり、購入した直後でも切ると茶色に変色していることがあると思います。
実はこれ傷んでいるわけではありません。
りんごが茶色く変色する理由についても、知っておけば安心してりんごを食べられますよ。
あわせて解説します!
リンゴが傷んだときの変化は?
りんごが傷んできたり腐ったりすると、次のような変化があります。
- 切ると異臭・悪臭がする
- 皮が黒や茶色に変色している
- カビが生えている
- シワシワにしなびている
- ブヨブヨに柔らかくなっている
上記のような変化があったときは、腐っているか傷んできて味も落ちてきています。
ただ、変色やブヨブヨが一部だけならカットして食べられることもありますよ。
味は落ちている可能性は高いですけどね。
特に傷んできたときの変化で、アルコール臭をはじめとする異臭・悪臭がするときは、ほぼ腐って食べられないか、食べてもすぐ吐き出すような味になっています。
そのときは諦めて捨ててください。
見た目だけで腐っているか判断しにくい場合は、カットしたりんごの臭いを嗅いで判断すると良いですよ。
逆に、おかしな臭いがしなければ、食べられる可能性が高いです
もちろん、最後は味がおかしくないかで最終確認をしましょう。
味がぼけている程度なら問題ないですが、アルコール臭などの変な味がするものは、あきらめて処分してください。
多くのりんごは腐って食べられなくなるより先に、味が非常に落ちて食べてもおいしくない状態になります。
ちょっともったいないですが、食べてもおいしくない状態になったら無理せず捨てたほうが良いと思います。
「味は落ちてきたけど、まだぎりぎり食べられるかな」というときは、加熱してジャムなどに加工して食べるのも有効ですよ!
りんごの賞味期限は?
カットしていないそのままのりんごの保存期間は、冷蔵庫の野菜室で1カ月~2カ月程度です。
常温だと数週間から1カ月になります。
カットしたりんごの場合は、冷蔵庫で1~2日とぐっと短くなるので注意してください。
りんごの種類や保存状態にもよりますが、おいしく食べられる期間は約1カ月ほどなので、それまでに食べきるよう心がけましょう。
りんごの保存方法については、こちらの記事で詳しく書いていますので参考にしてください。
りんごが茶色になる理由は?
りんごが茶色になるケースは、大きく分けて次の2つがあります。
- カットして放置したら茶色くなった
- カットした直後なのに茶色くなっている
原因を順番に解説していきますよ。
1.カットして放置したら茶色くなった
りんごはカットして放置していると、断面が空気に触れて酸化することで、茶色く変色するのです。
茶色く変色したりんごを食べても全く問題ありません。
茶色に変色する原因は、りんごに含まれている「ポリフェノール」という成分が空気に触れて酸素とくっつくことで、茶色に変色する性質があるためですね。
一説には表面を酸化することで、病気やカビなどから守る効果があるとされています。
ポリフェノールはアンチエイジング効果など、体に良い効果がたくさんある成分です。
ですので、ポリフェノールが酸化しただけのりんごを食べても、体に害はありませんよ。
茶色になったりんごは見た目がちょっと悪いですが、安心して食べてOKです。
2.カットした直後なのに茶色くなっている
カットした直後なのに茶色くなっているりんごは、「蜜褐変(みつかっぺん)」か「内部褐変(ないぶかっぺん)」が起きている状態です。どちらも食べる分には問題ありません。
「蜜褐変」と「内部褐変」について解説します。
蜜褐変とは?
下のコラムで詳しく解説しましたが、ざっくりいうと「蜜褐変」とは、多く入りすぎた蜜が茶色く変色してしまった状態です。りんごの芯を中心に変色しています。
蜜は変色しやすいので、入りすぎた蜜が変色して、りんごの見た目が悪くなってしまうのです。
しかし、蜜が変色しただけなので、りんごを食べる分には問題はありません。
それでも変色したりんごが気になる方は、買った直後ならお店で交換できるか確認しましょう。対応してくれるお店も多いです。
そもそも蜜の正体は、りんご内の「ソルビトール」という成分が水分を吸収したもののことを言います。
ソルビトールの本来の役割は、りんごの成長と共に葉っぱから送り込まれて、果実の中で果糖やショ糖に変化し甘さを出すことです。
成長と共に、ソルビトール→甘さと変換されていくわけですね。
しかし、りんごが完全に成長(熟す)してしまうと、もうソルビトールは甘さに変換されなくなります。
余ったソルビトールは、果実の中で水分を吸収して「蜜」になるのです。
つまり、ソルビトールは果糖やショ糖に変換されきった後に、残りが水分と合わさって「蜜」を作っているわけですよ。
蜜の成り立ちを見ればわかるとおり、蜜そのものが甘いわけではありません。蜜が入ったりんごは、蜜が余るほど十分りんごが熟されているので、甘くておいしいりんごの証拠になるわけですね。
もちろん、品種によっても蜜の有無に差がありますが、ひとつの目安にはなります。
なお、収穫直後に蜜が入っていたリンゴでも、保存している間に蜜が糖になって吸収されて消えることもあります。収穫後もりんごの成熟が進んでいるのです。
ですが、蜜が多すぎると糖にも変化できずに、内部に残って変色することがあります。
これが「蜜褐変」と呼ばれる状態ですね。
蜜は変色しやすいので、蜜が多すぎるとカット後の見た目が悪くなります。
見た目は悪いですが、蜜の色が変わっただけなので、食べる分には問題はありません。
内部褐変とは?
内部褐変とは、りんごを長期間保存した結果、内部が酸化して茶色くなってしまった状態のことです。
カットして断面全体的が茶色い場合、内部褐変の可能性が高いでしょう。なお、内部褐変の場合でも、食べる分には害はありません。
しかし、内部褐変したりんごは味が苦くなっていることもあります。
自宅の冷蔵庫などで、長期間保存していると内部褐変は起きやすくなりますよ。
ただし、店から購入した直後でも内部褐変が起きているケースもあり得ます。
購入した直後の内部褐変については、下のコラムで詳しく書きましたので、気になる方は参考にどうぞ。
変色した見た目が気になる方は、蜜褐変同様に店で交換してくれるケースが多いようなので、お店に相談してみましょう。
りんごを自宅で長期間保存していた場合だけではなく、購入した直後にも内部褐変は起こり得ます。
しかし、「りんごを収穫してすぐ出荷しているなら、長期間保存してないんじゃないの?」と疑問に思いますよね。
そもそも基本的なリンゴの旬は秋ですが、私たちは年中りんごを食べられます。
旬が秋のリンゴを年中食べられる理由の一つは、長期間保存してから出荷するという方法があるためですよ。
「CA貯蔵」という外気や温度をうまく調整した保存方法を使っているのです。
CA貯蔵によって、3月から初夏までのりんごが収穫されない時期にも初冬に収穫したりんごがスーパーに並ぶので、年中おいしいりんごを私たちは食べることができています。
しかし、長期間保存した春先などには、内部で茶色く変色してしまうリンゴがごく一部に発生します。
いろいろ保存方法などで対策はしているようですが、内部褐変は外からでは判別できないので、我々の手元にも内部褐変したリンゴが届くこともあるでしょう。
内部褐変になりやすいりんごは、甘い・蜜入り・熟しきっている・大玉のケースが多いです。
もし、購入した直後のりんごが内部褐変していたら、「農家や農協の人も大変だよね」と優しい気持ちを持ってあげてください。
まとめ
今回のポイントは次のとおりです。
- りんごは傷んでくると、悪臭・異臭、皮の変色、カビ、シワシワ、ブヨブヨなどの変化が出る
- りんごが変色する理由は、カットして酸化した、蜜褐変、内部褐変がある
- 茶色に変色したりんごを食べても体に害はない
- りんごの賞味期限は冷蔵で1~2カ月
りんごはある程度日持ちしますが、なるべく1カ月以内に食べきるようにしましょう!